以下、落語「ねぎまの殿様」ですーー
殿さまはいい匂いのする鍋の名が分からず、 殿様 「あそこで町人の食している物は何と申す」、店の者が早口で言う、ねぎまが、「にゃー(ぎま)・・・」に聞こえて、
殿様 「さようか、そのニャーを持て・・・」
店の者 「へい、ねぎま一丁、酒は三六かダリで」、三六は一合、三十六文、ダリ(駕籠屋などの符牒で4のこと)は四十文の灘の生一本で、そこは殿様、ダリを注文。運ばれてきたグラグラと煮立った小鍋の中は、ねぎの青いところも、マグロの骨も血合いも混ざっている。
早速、殿様、箸でねぎをつまんで口に入れて噛むと、ぴゅーと熱い芯が鉄砲のように飛び出て喉を直撃。目を白黒させて殿様、「このねぎは鉄砲仕掛けになっておる」、熱くてマグロのだしの効いた鍋と、ダリをお代わり、二合飲んで殿様はすっかり満足。すっかりいい気分に酔ってしまってもう向島などには行く気もなくなり屋敷へご帰還と相成った。
さあ、広小路で食べたねぎま鍋の味が忘れられないのは、「目黒のさんま」の殿様と同じ。料理番の斎藤留太夫を呼んでねぎまの注文だ。「ニャーが食したい」、留太夫、殿様の前で、「ニャーとはニャンでございますか」とも、「ニャンとも分りませぬ」とも言えず、困り果てて三太夫に聞きに行って納得、早速ニャーを料理して殿様の御前に。・・・
kikiさんは落語なら、一家言あるでしょう。 |