<97年7月7日> 今がつらい

 朗読の練習中にシャックリが出なくなった。音も苦しいそうな高い音が出なくなって、少し聞き易い音になってきた。

 人と話をするとき、今まではうまく発声ができるかという心配があったが、その悩みもすこし解消されてきた。でもまだ騒々しいところでは話せない。つい静かなところで話そうとする。
それと電話の受話器を取る自信がない。

 毎日、練習メニューにそって、発声練習している。特に夜の散歩の時は、絞り込みの練習として歌を唄っている。(口笛も少し練習している)。
練習の成果だと思うが「同期の桜」は楽に唄えるようになってきた。
いま挑戦しているのは「演歌:大阪しぐれ」である。特に高音が難しい。そのうち唄えるようになる自信がある。

 ここ2週間ぐらいは発声に特別の変化がないように思えるが、1カ月後にレベルアップするのではないかとそんな予感がする。



<97年7月13日> 音の欠落

 まだまだ朝方は(食事前)、食道の奥の方が堅くなっており、言葉がとぎれとぎれになることが多い。例えば「ナニカ、カイテアル」を発声するとき「ナカ、カテカ」となり、途中の「ニ」「イ]の音が出ない。
最後の「ル」の音も出ない。2〜3度、同じ発音をすると正しく発声できる。
これらの音の欠落は絞り込みが足りないためと思う。特にこの言葉で腹筋に力を入れる音は「ニ」「イ」である。
この音を少しのばすように発声するとはっきりと分かるし言葉が生きてくる。

 朗読のときのシャックリがほぼ完全になくなった。又、同時にせき込みも無くなった。
やはり食道を訓練する事によって少しずつ解決していく。朗読の途中に「ゲップ」が出たときとか、「シャックリ」が出たときは20秒ぐらい間隔を置かないと次の発声できなかったが、今は3〜4秒ぐらいの感覚で発声できる。

 食道からの空気の逆流を利用して食道の絞り込みをしているのだが、そのときに食道の開発状況が分かる。現在は食道の6割強ぐらいを使用しているように思える。(これは感じである。)
この食道が鍛えられていくと音に響きが出てくる。また楽に発声できる。私の発声で50%ぐらいは苦しく聞こえる。
この現象は、腹筋を使って食道の奥の方から発声していないためと思われる。
まだまだ腹筋を使った十分な絞り込みができていない。

 今の悩みは、吸い込むときに時々(20%ぐらいの率)食道の入り口部分が充分に開かないときがある。
充分な吸引を行うと空気は入っていくが、普通の呼吸で食道に空気が入っていかないのだ。食道入り口部がくっついて狭くなっている感じである。
そう言えば、赤組(初級)教室の時、指導員が「大きい口をおけて、空気を力強く吸いなさいと」を注意されたことを思い出す。



<97年7月18日> 夢を見た(2)

 昨夜、声を出している夢を見た。食道発声の講演をしている夢である。腹圧を意識しないで発声している。
とても楽に声を出しているため疲れない。夢の中で、そのとき思ったことだがこんなに楽に自分の意志を伝えることが出来るのかと思ってビックリした。喉頭を失って初めてありがさを知った。これで夢を見たのは2度目であった。

 最近思っていることだが、腹圧だけでの発声は声が低音で「ダミ声」に聞こえる。でも大変楽に話が出来る。
でもこれだと1吸で7語〜10語が発声の限度である。ところが腹圧を半分ぐらいでとめ、あとは喉に力を入れて発声すると高音になり、1吸で50語ぐらいの発声が可能である。
私の現在の発声練習は後者でやっている。

 朗読するとき食道につばが溜まっているような音が時々出る。そのときは発声するとき雑音が聞こえ音が低音で「ベチャ音」である。そのときは1吸で5語前後しか発声できない。
そのようなときは、いつも唾を3回ばかり飲むことにしている。
するとまたいつものように発声が出来る。現在の1番の悩みはこれである。

(術後2年目)
「な」「ま」行の発音は鼻から空気を出すことによって澄んだ音となる。


参考:
[ 夢を見た(その1)][ 夢を見た(その2)][ 夢を見た(その3)][ 夢を見た(その4)]




<97年7月25日> 腹圧と逆流

 毎朝、勤務に出かけるときに発声練習をしている。音を伸ばす(長音)とき、すこしずつ長くなってきている。
現在は2秒弱である。まだまだである。その原因の一つに上げられるのが食道内の襞の動きである。

 長音の発声の練習をしていると声の通りが一定でない。そのために高音、低音が制御できないのだ。
どういうことかというと、空気を食道に入れてそれを素早く逆流させるときに、勝手に襞が空気を通したり、空気を止めたりすることがある。(逆流の出来ない空気は胃袋まで追いやってしまう。) この空気の逆流に成功したときは、とても気持ちがいい。
胃袋から喉までつながっている食道内のもやもやしていた襞が洗い流されて気持ちが「シャッキ」とする感じである。
つっかっかっていたのが取れたよう気持ちである。このように空気の逆流に成功する確率は5%ぐらいである。

これに成功すると長音は3秒は越えられる。4日前まではできなかった現象である。きっとこれが完全に出来るようになるとレベルアップにつながると思う。
 朗読の練習では、息継ぎは句読点でおこなうようにしている。
そのほうが聞いている人から見ると聞き易いみたいである。それにはかなりの腹圧が必要である。その腹圧のかけ方も慣れてきた。あとは練習である。問題はその練習である。
もうこれでいいと思ったら練習はつまらなくなるし、やらないだろう。

 私は、神川銀鈴会の会長の声を聞いているので、すこしでもそれに近づける目標を持っている。
周囲に喉頭摘出した人でビックリするような発声の上手な人がいるだけでも向上心が湧くものである。

 以前は日がたつごとに上手になっていくのがわかったが、最近は3日ぐらいの単位で上達が感じ取れる。ゴンベルツ曲線のように上達の進歩に応じて上達の時間が長くなると思う。
銀鈴会の発声教室のF指導員の言葉「食道発声法は5年間は上達するでしょう。」を思い出す。

(術後1年5カ月目)
勤め先で朝、ラジオ体操をするのだがその10分前に出て、長音の練習をしている。快晴のときは気持ちがいい。



<97年7月28日> やる気満々

 発声教室は夏休みであるが特別研修日(講演)ということで神奈川銀鈴会に行った。
ひさしぶりにN会長の声をマイクを通して聞いた。あまりのうまさに痺れた。私もそのようになろうとファイトが湧いてきた。

発声法を教えてくれる事も勉強になるが、目の前で上手に発声されるととても励みとなる。
それだけで横浜の発声教室まで片道2時間かけたかいがある。

自分の発声練習はいつでも出来るのであるが、一流の人の発声の仕草はその人に接してみないとわからない。本当に今日は勉強になった。

 今の気持ちは「必ず追いつき、追い越したい」ということである。明日から絞り込みの練習のために「カラオケ」の稽古をする。



<97年7月31日> 目標を持つ

 話をするとき、今までよりも自信を持って話せるようになり、電話も取ってみようかという気持ちにもなってきた。
話の途中の苦しげな(食道が狭くなった様な感じ)音が出なくなった。

 でも、社説の朗読でまだ途中で4〜5回ぐらい休んでしまう。朝のため、音が出にくい。そのため時々喉がグーとなる。
そのときは途中でやめて(20秒ぐらい休憩)唾を呑んだりする。時間は平均して8分〜9分ぐらいである。なんとしてもこれを6分以内にしようと思う。

 夜の朗読の稽古は、シャックリ、つばの溜まったような音、せき込み、はなくなりとても調子がよい。
だが、課題はある。「なめらかさ」と「間の取り方」である。音の高低は必死で練習中である。

 現在の1分間朝礼の朗読は100秒〜125秒ぐらいである。