<97年12月08日>
苦しいが頑張る
(術後1年5カ月目) 
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 食道の入り口部に鼻汁が付着している感じがして、それが発声の妨げとなっている。 
そのため声はダブってしまい自分の思うようにコントロールが出来ない。話をしていてもよく分からない。また、それがひどくなると空気が食道に入って行かなくなるのだ。 
対処法はパン等の固形物を食べると少しは良くなる。でもこのような状態に陥ってもしっかりとした発声が出来るように訓練しなくてはと思っている。 
音を強く出したり弱く出したり、呼吸するときの強弱等必ず何かあるはずである。 
あきらめないでがんばるしかない。今まではそのような状態になったら訓練を途中でやめて状態の良いときに訓練をやっていた。 
今後からはむしろそのような時がきたらチャンスと思って訓練をしなくてはと思っている。
  
 
 風呂の中で「め」の発音を考えていた。例えば「あたりめ」の言葉を発声するのは、 
2通りあることに気がついた。一つは「あたり」と同じように「め」の発声を行う方法である。すなわち腹筋を利用して口、鼻等の構音器官を意識しないで発声するやり方である。 
もう一つの方法は「め」を鼻から空気を出すようにして(鼻に力を入れる)発声する方法である。後者の方法はより自然に近い音として聞こえる。ただ弱点は音の力が弱いことである。 
これを克服しなくてはと思っている。このようにして一つ一つの言葉の特徴をしらべていくといい。
  
 最近のことだが朝、社説の朗読をしているときに意識して力づよく空気を出す事によって食道の奥の方から音が出る。 
これはいままで声が詰まって朗読を中止せざるを得なかったがこの空気が出ることによってそのようなことがなくなった。 
つまり誤って飲み込んだ少量の空気の貯蔵庫が食道の奥の方にあるみたいである。たくさんの空気を飲み込むと胃まで空気が落ちでしまうが少量ならば食道の下の方にたまっている。(私はそのように解釈している。誤っているかもしれない) 
その空気を無意識のうちに出せるようになると苦しそうな発音がなくなると思う。ただ出すというわけでなく音として利用すればいい。 
すなわち話をしていて相手が聞き易くなると思うのである。 
これはこれからの訓練によって開発していく。自分でも上達していることが実感として2週間単位だと分かる。
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<97年12月13日>
「き」と「ぎ」の区別(その1) 
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 ひさしぶりに発声の明瞭度の簡単なテストをやってみた。その内容は、 
1,金さん、銀さん、金さん 
2.銀さん、銀さん、金さん 
3.金さん、金さん、金さん 
4..... 
 というように金さんと銀さんを組み合わせて私が発声してそれを当ててもらうわけです。正解率は50%でした。なかなか難しいものだ。
  
参考:
「き」と「ぎ」の区別[その2]
[その3]
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<97年12月14日>
NHKのアナウンサー 
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 NHKのテレビ番組を聴いていた。アナウンサーの話す言葉を注意深く聴いていたら言葉の区切りが主語と述語がはっきりと区切っていた。 
しかも「そういうことであります」を「そうゆうことで」「あります」と二つに分けて発声していた。なにより明瞭度が優先している話し方はとても参考になった。
  
  私は、練習しているとき記録簿のタイムを競っている感があった。あのアナウンサーの発声を見習わなくてはと思った。余裕のある人ほどゆっくりと話すと言うことか!
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<97年12月20日>
腹圧をかける 
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 私の食道発声法のホームページを読んだとのメールが喉摘者から入っていた。喉摘者に少しでもお役に立てられてうれしいと思う。 
今まで神奈川銀鈴会を中心に書いていたが、私が毎週、お世話になっているFV会のことについての古いノートが見つかったのでちょっとまとめてみました。
  
 見上げたときに、鼻汁が食道入り口部にたまって発声のじゃまをするときがあるが、だましながら朗読を続けていけは、なんとかなるものである。 
でもやはり、声を出すときは上を見ない方がいいと思うし、さらに鼻水があれば鼻をこまめにかんだほうが発声の妨げにならないと思います。
  
 食道の奥の方からの絞り上げが徐々に出来るようになってきた。まだまだであるが、以前よりも発声中に頻繁に多くなってきている。 
朗読をしていて、自分としては10%ぐらいの割合で食道の奥の方から空気を出せるようになった。 
これが完全になると語尾の掠れが、なくなるし、相手と自然に話が出来る。あと1週間で私が喉頭摘出してから1年半となる。 
歌謡曲を記念に録音しようと思っている。
  
 
(術後2年5カ月目) 
食道の奥の方から声が出せるようになったが、相手との自然な姿で話が出きるようになるにはまだまだほど遠い。 
こうして考えてみると上手な人はものすごく練習したのだと思う。 
最近、わたしは次から次へといろんなことが気になり出し、何とかして乗り越えられなければいけない壁がいくつもある。 
きっと上級者になればなるどど私達の知らない壁があるのだと思う。 
楽しみだ。
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<97年12月28日>
私の実力 
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 喉頭摘出してから1年半が経過した。 
ここで今までの練習の成果として、 
 
歌謡曲「昔の名前で出ています(
551KB)」
を唄った。 
自分としてはもっと上手に唄えるはずだと思っていた。後で聴いてみると以外と声が出ていないのにびっくりした。 
でもこれが今の私の実力です。1年前ではこんな事が出来るとは思ってもいなかった。
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