<96年9月1日> 
上達が分かる 
(術後60日後) 
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 最初の1声がなかなか出てこない。2音節はなんとかいえるようになった。読売新聞の「編集手帳」を読み終わるのに1時間かかる。 
この「編集手帳」を読む稽古は、毎日15:00から始めている。健常者ならば5分ぐらいで読み終えてしまう文が1時間もかかってしまう。
  
 その日の調子もあるが少しずつ話せるようになってきた。あわてると全然音が出ない。ゆっくりと冷静にならないとダメである。 
毎日の稽古は順調にこなしている。 
話もスピードアップし声も小さいのもあるが徐々に大きくなってきている。明日はいよいよ神奈川銀鈴会にいく。楽しみである。
  
 
(術後5カ月目) 
ようやく、最初の1声が1回でできた。 
 
(術後2カ月目) 
朝起きてすぐに会話が可能となった。
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<96年9月2日> 
銀鈴会へ行く  
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<96年9月3日> 
1日6時間練習  
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 食道に空気が入っていると音が食道で鳴っているように聞こえる。これを何とかしなくては、とても聞きづらい。 
1日6時間ぐらい発声稽古をした。 
空気が入っている件についてはゲップをして空気をとりだすか水を飲むかで解決できる。 
 
 
(術後10カ月目) 
空気の抜き方が未だに分からない。 
 
(術後1年4カ月目) 
早く空気の抜き方を覚えたい。 
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<96年9月4日> 
声が掠れる  
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 発声の稽古は30分ぐらい続けていると「か」行の音が出なくなる。 
「か」「さ」「た」行の音が時々割れる。日毎に音量が大きくなってきている。とにかく稽古である
  
 
(術後1年2カ月目) 
いまでもきちんと計画にもとづいて稽古をやっている。
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<96年9月7日> 
食道内の雑音  
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<96年9月9日> 
うれしいサイン  
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 空気が気管から漏れているのは、腹筋に力が入っていないことが原因ですとF指導員より教えていただいた。 
F指導員は1回の稽古時間を30分程度とした方がよいといわれた。N会長より教本にサインをしてもらった。 
稽古をしてわかったことはのばす音の稽古をしっかりとやることである。 
すなわち「あ〜〜〜」の稽古である。銀鈴会のF指導員に下記のように書いて質問をした。
 
襞の疲れ 
 発声練習を長くしていると(40分〜50分)「か」行の音を出すのが困難になる。また、「さ」行音は掠れてします。このような現象はどなたでも経験するのでしょうか?
 食道内圧 
 胃から空気(ゲップ)を出たときとか、唾を飲んだときは、すぐ発声(吸引法)が出来なくて悩んでいますが、稽古を積むことによって、自然と解決できるものでしょうか?
 雑音振動 
 {あ・・・}{い・・・}{う・・・}・・とのばして発声の稽古をしているとき、発声している途中から「グニャグニャ」とか「ククク」とか低い雑音がでます。この雑音はいずて、{あ}{い}{う}という音に変わっていくのでしょうか?
  
返事は、そんなに神経質にならないでいい。理屈よりも練習ですといわれた。私としては、其の理屈を教えて貰いたかった。
  
 
(術後10カ月目) 
1項目の襞の疲れは現在はない。2項目を解決したのは1997年4月までかかった。3項目はそのとうり。 
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<96年9月10日> 
長音  
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 長音伸ばしを徹底的に稽古をした。なかなか難しい。 
正常な人なら30秒間伸ばせるが喉頭摘出者は5秒間が限度といわれた。
  
 
(術後1年2カ月目) 
長音は、歌を唄うことによって練習すると飽きがこない。
 
 
(術後2年1カ月目) 
「あ〜〜」と伸ばす音を計ったら3秒であった。 
いくらやっても4秒の壁には届かない。これが今の私の実力です。 
また、同じように一呼吸での短音は「あ」「あ」「あ」・・とやってみると最高は7回で、平均して4回ぐらいでした。長音の練習はしばらくやっていません。そのため空気の出し方は上手に出来ますが、吸入がちょっとぎこちない。
  
 空気を取り入れる状況は、 1.姿勢を正す 
2.口を大きく開ける。(空気はまだ入っていかない) 
3.空気を吸うと同時にお腹をへこます。背筋を伸ばす。(空気が入る) 
4.力一杯空気を吸い込む。(いくら吸い込んでも胃には入らない) 
5,徐々に空気を出す。 
ここで難しいのが、3の項目です。これは、体得していないと出来ません。
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<96年9月14日> 
悩みが多い  
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今一番の発声についての悩みは、 
1.ときどき音がでづらく音量が極端に低いことにある。稽古のしすぎでそのようになるのかもしれない。
  
2.第2には、声の通りの確保がまだできていない。同じ単語を発音しても楽にできるときとそうでないときがある。
  
3.音が口の中でモグモグとなってしまうことだ。このときは吸うとき(すなわち食道内に空気を入れるとき)に、食道の襞がくっついている感じである。
  
4.話をしている途中とか、水を飲んだときとかゲップをしたときなどはすぐに音が出ない。
  
5.空気がお腹に溜まりすぎて発声するとき小さくなり苦しい。いくら腹圧をかけてもか細い声である。
  
 
(術後11カ月目) 
1項目は、訓練をしているうちに一定になる。2項目は、今でもそうである。3項目は、最初は食道の入り口が堅いため自然と空気が入っていかない。4項目は、現在は7秒間待ってから発声している。5項目は、わからない。
 
 
(術後1年3カ月目) 
5項目発声する毎に少しずつ胃に空気が溜まっていく。それがある程度溜まると「ゲップ」という形で空気が逆流する。胃に溜まった空気を自由にコントロール出来るとよいのだが、今でも私は出来ない。
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<96年9月15日> 
襞がくっつく  
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 午前中は声がよく出たが午後なったら全然でなくなった。 
途中で食道の襞がくっついている感じがして声を出そうと思ってもつまって出ない。思い切り吸い上げると蓋が開いたような感じがして声が出る。 
風船のゴムが唾でくっついている感じ。音は、まだまだムラがあり一定となっていない。
  
 
(術後1年4カ月目) 
今でもしばらく口を閉ざしていると、最初の音を出すとき食道の入り口が「カク」と音が鳴る。 
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<96年9月18日> 
上達への道  
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 3音節は正答率が80%であったのでここらへんで3音節は卒業して4音節を練習する。 
4音節がいえるのは、まだ30%前後である。少しずつ上達していくのが自分でもわかる。 
現在の毎日の稽古時間は5〜6時間である。
  
 
(術後1年3カ月目) 
一つ一つの言葉を覚え、また練習する毎に上手になるのでこの頃の発声練習が楽しかった。
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<96年9月19日> 
かすれる  
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 稽古のやりすぎのためか喉がかすれるみたいである。
  
 
(術後11カ月目) 
よく練習し、努力をしたと我ながら感心する。
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<96年9月20日> 
もっと訓練  
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 FV会に行って日頃の訓練の成果を出そうと思った。まず会った人に「おはよう」と挨拶しようと思ったがそれがでない。 
簡単な言葉も出ない。まだまだ人前では話せない。
  
 銀鈴会ではあせらないで基本をしっかりと稽古するようにといわれた。 
特に発声するときは口から充分空気を吸って、「あ」と発声せよ。 
それだけでいいともいわれた。
  
 
(術後11カ月目) 
「おはようございます」は、いまでもとっさにはでない。
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<96年9月26日> 
声が小さい  
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 ここ3日ばかり舌が痛く稽古はできなかった。 
ひさしぶりにやってみると音が小さい。 
この音を大きくしないとちょっと離れたところでは聞こえない。なんとかしなくては。
  
 
(術後11カ月目) 
体調が良くないときは、余り無理をしない方がよい。
 
 
(術後1年3カ月目) 
舌が痛くなるのは、今でも月に一度はあります。これは、発声をするとき、食道が堅く無理して発声するときに舌を少しずつかんでいくために生じる。
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<96年9月31日> 
うれしい丸印  
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 神奈川銀鈴会で三重丸をもらった。 
3学期は青組(中級の部)が確定となった。最近は5文字に挑戦しているがだいたい15%〜20%ぐらいできる。
  
 長音も少しずつであるが長くなってきている。短音の連続は4音節までならできる。日常会話はあまり不自由しなくなったが、他人との会話は、まだうまくできなし、自信もない。
  
 
(術後1年2カ月目) 
はげみになります。
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