風邪とインフルエンザの違い

入会 H30-2 72歳    (単純喉摘)
風邪とインフルエンザの違いが判らず、症状が似ていることを聞きますが現状のコロナ禍で中々病院へ行くことを躊躇して心配です。  


(令和4年:神奈川銀鈴会会報49号)

咽頭痛、発熱、咳、鼻水などの90%はウイルス感染によるものです。
通常ウイルス感染は自然治癒しますが、免疫の過剰反応が誘発されると、
二次的に細菌感染に移行する場合や、肺、心臓、血管、腎臓、肝臓障害が重症化する場合があります。
コロナ感染の問題点はインフルエンザより激しい免疫反応を引き起こし、重症者の数を増やし、病床の逼迫をもたらすことにあります。
抗ウイルス剤は感染の初期でないと効果はありません。
過剰免疫反応による中等度以上の臓器障害が生じると免疫抑制剤が治療の主体になります。
重症化する可能性のある人を正確に選別する方法と、有効な治療法が確立されるまでは、コロナ感染を防ぐ必要があります。
したがって重症化の危険の高い人は、感染防御とワクチン接種でコロナ感染を防ぐほかありません
。 残念ながら普通感冒、インフルエンザ、コロナ感染をその症状から選別するのは困難です。
したがって風邪症状を認めたらまず主治医を受診されること勧めます。
コロナ感染の可能性が高ければPCR検査が必要です。抗原検査が陰性でもコロナ感染は否定できません。
抗原検査は感染の可能性の低い人の簡易検査と考えてください。
感染早期でないと抗ウイルス剤は無効なので、重症化リスクの高い方は迅速にPCR検査をすることをお勧めします。
またオミクロンはワクチンによる抗体が短期間で減少するので、高リスクの方は感染が制御されるまではワクチン接種の継続をお勧めします。

(専門医)