肺気腫

 入会‥平成13年年6月 手術‥平成13年4月/81歳/単純喉摘
@ 肺気腫についてお尋ねしますが、酸素吸入ばかりだけでなく、治療方法がありますか?
A 我々喉摘者は肺癌になりやすいでしょうか?
B 咽頭、上咽頭癌等の他の隣接部位への癌が、他の組織より多いでしょうか?

(平成28年:神奈川銀鈴会会報43号)

回答
@ 肺気腫とはどういう事なのかというと、肺の1つ1つの袋の仕切りの壁がなくなってしまい、呼吸を する表面積が減ることで酸素・炭酸ガスのやり取りが上手くいかない状態をさします。
最大の原因は喫煙だと言われています。
喉頭を取られた方はヘビースモーカーが多いと思われますが、壊れた壁を直す事は出来ません。
対策としては、酸素吸入とかいう方法を取らなければならない場合も多く、 私は呼吸器科が専門でありませんので、それ以外に良い治療方法は思いつきません。
呼吸器内科の先生に肺気腫という診断を受けたならもう一度診断を受けた先生にどういう風に生きて行くか、ど うすれば自分が楽になれるかを相談して頂きたい。

A喉摘者が肺癌になりやすいかというのは、非常に難しい問題ですが、健常者と統計的に比べた調査の結果か ら言うと多少、パーセンテージが上がります。
2つ理由が有って、1つは喉摘者という癌をされた方はかなり高齢者です。
癌というのは年寄りの病気ですので(一部を除き) そういうリスクはいつも有ります。
もう1つは喉頭癌をされた方は煙草を吸っている人が多く、1日に吸うたばこの本数と何年間吸ったかを掛け合わ せたものをブリックマンの数と言いますが、その数が多ければ多い程肺癌になりやすいという研究が有ります。

B喉頭には、咽頭・上咽頭・その他の隣接する臓器が有りますが、隣り合わせているからなりやすいと言うわ けでは有りません。  先程申し上げた通り同じ理由で、統計的に癌のリスクが他の方より高い可能性はあります。恐れていても、何 もならないので、然るべき検診を続けながら様子を見ることが必要だと思われます。

(専門医)