嘔吐反射

 入会‥平成13年2月 手術‥平成13年1月/六七歳/単純喉摘
@舌の奥をヘラで押えると「オエツ」という感じになりますが食道発声で、時に大きな声を出そうとして 大きく震動させると同じ「オエツ」を感じてしまい、会話中断という場合があります。
アゴの下、ノド部分を外から触っても同じ「オエツ」感になります。
こういう体質なのだろうとは思いますが、何か軽減させる方法がある でしょうか。(耳鼻科での診察では、口から出来ず、鼻からファイバーで見てもらっていました。)

A 大きな舌を出すための、テクニックというのがあるのでしょうか。
例えば、空気の飲み込みと腹式呼吸を同時にすると空気量が増えるとか。また、効果的なトレー ニング方法があるのでしょうか。

(平成28年:神奈川銀鈴会会報43号)

回答
@こういう感じは誰にでも起こり、嘔吐反射と言います。
これは変な物がロに入った時の吐き出すーつの予防というか、防御反応ですから仕方有りません。
頑張って声を出そうとすると、そこの所の圧力が高まって嘔吐反射が起る、つまり感度が高い・反射が強い方だと 思います。
個人差もあると思いますが、これを軽くすると言うのは難しく、そう毎回起こる事ではないでしょう。
食事も普通に出来るし、あまり余計なことはしないで普通にしていれば心配することはないと考えます。
多くの医師が鼻から内視鏡を入れて見ることが、あたり前になりました。

A大きな声を出すというのは、外へ出す音のエネルギーが大きいということです。体の仕組みから考えると、 吐く息の強さを強くすると言うことと、喉に力を入れてかなり強く喉を絞めるという、2つの動作で声の強さ(大 きさ)が大きくなります。
少し喉に力を入れ気味にして腹圧をおおいに掛ければ当然大きな声が出ます。
しかし、食道発声の目的は大きな声を出すことではありません。
むしろ小さい声でハッキリ喋る、そのことの方が大事で す。

(専門医)

 皆さんが勘違いされるのは、大きな声で喋らなくては 下手だとか、一息で長く喋らないと駄目だとかでは、決してありません。
小さくてもハッキリと聞こえること。
一息で長く喋る人は上手くとも何でもない、我々は精々 一息で長くても5文字位がベストで吸引法で話す事が大切です。
長く喋って話すというより、ハッキリと少しず つ区切って喋ることを狙っていって下さい。

(指導員)