電気喉頭の切り替え

食道発声をやっていて、格別何か支障になりそうな心当たりも無いのに、 なぜか空気が入り難い、手術の後の医学的な条件が関連しているのだろうか。
又食道発声から電気喉頭の切り替えについて、如何お考えですか。

(平成13年:神奈川銀鈴会会報28号)

難しい問題ですね。私の大先輩で亡くなられた高藤先生のデータによると、 食道発声として成功されるのは、大体70パーセント弱、逆に言えば2〜3割の方がどうも食道発声で、十分とのレベルに行かないとの結果でして、私も概ね妥当なものと思います。
これは外国のデータにも同様のものが有ります。
さてそこで電気喉頭についての質問に移りますが、これの利用、活用は十分に意義があるもの と考えます。アメリカでは、初めから食道発声と、電気喉頭の両方を練習して、徐々に食道発 .声に移行していくとの方法が結構見られます。例えば仕事の都合で、あまり発声練習の時間が 取れないとか、あるいは高齢の故か、練習で疲れて困る等の場合を含めて、食道発声がどうも 思うように進まないケースでは、電気喉頭を試みることは十分意義があることと思います。

(専門医)