<99年10月01日> 明瞭音の対策 (術後3年3カ月目)

喉頭全摘出の手術を受けてから休まず発声記録を書いているのだが、最近はその間隔が長くなってきている。

初めのうちは声にいろいろな変化があり、その様子を詳細に記述できた。
現在は声が安定してきたというのか、進歩がないというのか、よくわからない。

最近の発声で、話をするとき音が単発になるときがあるのだ。
「あした雨が降るでしょうね」を発声するとき、気をつけないと「し」の音が低い。そのため「た」が大きく聞こえる。「しょう」の「う」が消えることがある。
これは「しょう」を「しょぉ〜」と「ぉ」の音をのばす。
まだ充分に長音ができない人は「う」をはっきりと発声するとよい。
そうすることによって「ね」が力強く発声はでき、次の発声の呼吸のリズムがつかめるというわけである。
また、「し」は特に意識しないと消えてしまう。「さ行」は無声音になるので注意が必要である。ここで強調しておきたいのは、

自分の発声のペースを守ることである。

友達と話をするスピードよりも意識してゆっくりとしたスピードで話をすると発声に余裕が生まれ、言葉をひとつひとつ大事に発声できるからである。
この一つ一つの音を大切にすることによって明瞭になるわけである。

調子の悪いときは、無理して話をしないで唾を飲み込んだり呼吸を整えたりしてから話をする。(それまで待ってもらいます)
急いで話をして相手に理解されず、2〜3回も同じことを話をするより 一発秘中の態勢で話をするのです。(急がば回れ)

がんばろう!がんばろう!喉摘者のみなさん!