世界最初の食道発声

1888 年 ( 明治21年 ) ドイツのストリュ - ビング医師が、 世界最初の食道発声を発見しました。

発見とは、本人が自然に発声を会得していたためであります。
間違いなく喉摘手術を受け、気管と食道は完全に分離されているのに声が出ていたのです。
この声の出るメカニズムは医師には理解できず、 仲間と反射鏡で舌の下方や咽頭を仔細に観察しました。
出ていた声はかなり明瞭で大きく、咽頭の空気だけでは とても間に合わない量であることがわかりました。

さらに観察すると食道の入口付近に小さい泡がいくつも見付かり、 声を作る空気を入れる貯留部は食道であることがわかりました。
食道へ空気を入れるための、特別な動作は見られなかったので、 言葉を話す動作が次の言葉のための空気を食道へ送り込む動作になって いることもわかりました。

現在、欧米でおなわれている子音注入法に近いものであったと思います。

(慶瀬肇博士著「食道発声事始」より取材 )