もっと笑って
(I.Nさん:女性;銀鈴会会報45号より)


 最近古い友人から「やっと、あなたらしくなったわね」と言われ、嬉しくなりました。
こうして笑顔を取り戻し、季節を採る花や自然の恵みを素直に享受できるようになったのも、銀鈴会に入会し、声を取り戻し、たくさんの方々との出会いがあったお陰だと、感謝しております。

 思えば、手術をする迄の私は、仕事、地域活動、そして家事と、めまぐるしい日々の中を充実して過ごしておりました。

声を失い、仕事を辞め、退院して2カ月位は、なかば自閉症のように息を潜め、心の空洞をうめるすべも知らず、なんだか社会から阻害されたような虚しさを感じていました。

 銀鈴会に入会した当時は、きっと悲惨な顔をしていたのでしょう。ある指導員に「そんな顔をしていたら誰も寄りつかないよ。もっと笑って・・・」と言われ他のです。

的を得ているその言葉に、むろん返す言葉もありませんでした。指導員の先生方がとても生き生きしていることに気づき、何かが、スコーンと突き抜けた感じがしたのです。

 失った物に悲観的になるのでなく、出来ることに希望を持とう・・。そう思ったら急に目の前が明るくなった気がして、それからは一生懸命、発声練習に励みました。

今、ゆったりと時が流れ、自分のために大いに満喫しています。あの自暴自爆になっていた頃が嘘にように、心に中から笑えるようになり、幸せを感じているこの頃です。