申し込みをして本当によかった
(M.Aさん:平成8年全日本スピーチコンテスト大会に優勝;THE GINREI会報44号より)

 私は、1昨年、東京銀鈴会の大会の出場申し込みに際しましては躊躇なく申し込みを致しましたが、実をいいますと全日本大会については当初から全く申し込みをする意志はありませんでした。

東京銀鈴会の申し込みをしたあとの精神的な苦悩が非常に大きく、原因を反省いたいますと、入賞したい、絶対入賞するぞなど、欲望が先行したからだと思われます。

 今回もやっとのこと原稿ができ、練習を始めて3〜4週間すぎた頃でした。これがまた全然思うようにできず、前回同様苦悩とあせりと、悶々とした日の連続でした。

下手糞、下手糞と思うようになり、ますます気が落ち込み困った、弱った、と途方にくれました。

ふと思いつき、歴代のチャンピョンのテープを聞いてみようと思い、早速実行してみました。

それは素晴らしく、ただ聞き惚れているだけでした。
そして何回も何回も聞いているうちに気づいたことは、まず話す速度、間の取り方、強弱、明瞭度、言葉の抑揚などについて大切なことがわかり、早速参考にさせていただくことになりました。

 それからの練習は、音質の善し悪しはあきらめることとして、ゆっくりとわかりやすく、発音のしづらい言葉に特に注意しながら練習し、そして歩き方、姿勢、マイクの持ち方なども配慮してみました。

ある日先輩の先生が、4年に1回の大会だし、オリンピック精神で参加することに意義があるのだから気楽にやれば、といわれ、とても気が楽になりました。
あとは練習の成果が壇上で発揮できればよいのだ、と思うようになったのです。

 優勝できたらか思うわけではないのですが、いま思うと、申し込みをして本当に良かった、よかったのだと、今まで何度も満足感に浸ることができたでしょうか。
私は、現在初心クラスの指導を担当させていただいております。

今後も微力ではありますが「一声」を一日でも早く出すことの喜びを分かち合えるよう、多くの辛い思いをしている方々のお役に立ちたいと、生意気ではありますが考える次第です。

 安易な気持ちで申し込んだことが、好結果につながり、今後は少しでも会のために尽力できればと思っております。

M.Aさんの声です(749KB)