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声もどり生きる歓び日々感謝 喉頭全摘、大胸筋による下咽頭再建及び移植と3回も手術をし、5カ月以上の入院を余儀なくされました。 入院中は家族や友人に励まされ、世の中には自分よりもっと不幸な人が大勢いる、声ぐらい出せなくとも元気に生き抜こうと、「声はなくも目・耳達者で字も書ける」と自作の川柳で強がっていましたが、いざ退院して声のでない悲哀を痛感しました。 何とか声を出せないかと思いましたが、退院時医師から下咽頭再建手術をしたために食道発声は無理かもしれないと言われていましたのでE・Lを使うことを考え銀鈴会に相談しに行きましたが、E・Lを使う前にまず食道発声を訓練するように奨められ、銀鈴会に入会しました。
教室では指導員の先生が声帯がないのに上手に会話しているのに驚かされ、同時に、私も頑張れば会話が出来るかも知れないと思い、目の前が明るくなりました。 第1日目は全身に力を込め口を大きく開いて「ア」といったが、聞こえるのは気管孔からの息の音ばかりで全然声が出ず、落ち込んでしまいました。家に帰ってからも自分自身を励まし、所かまわず夢中で叫び続けました。 二回目の日に下腹に力を入れ「ア」と口を開けたとき喉の奥の方で「ゴボ」と空気の出るような音がしました。
原音が出るとはこのことかと知りました。 あまり力を入れ過ぎるために「ア」ではなく「ギャ」に聞こえるようになり、口腔囁語という悪い癖が付くのでもっと力を抜くように注意されたが、つい力が入ってしまいます。
そこでしばらく「ア」をやめて「オ」の発声練習をするように言われ、それで力を抜くコツを覚えました。 。また、私は再建手術をしたので喉を指で押さえることにより一層声がはっきりと長く出せることも知りました
夏休みや年末休みで教室のにっすは少なかったが1日も休まず通い(初心22回、初級23回、中級10回)その結果、半年あまりで上級まで進むことが出来ました。
第2は空気が食道に入っていることを実感として知ること、水を含んで腹式呼吸で鼻から空気を吸いうがいをする。
私は下咽頭再建手術をしたため食道入り口付近が固いので、喉を押さえて振動を助けることにより声を楽に出せることを覚えました。 今や、毎朝新聞の見出しやコラム欄を声を出して読むのが楽しみになりました。こんなに早く言葉が言えるようになったことは夢のようです。
そして人生に明るさと自信が取り戻せました。 |