私の呼吸法との出会い(U指導員)

私は若い頃は、ある程度体力や健康には自信がありましたが、三十代 に入ってから、体調に変化がでてきました。
高度経済成長にともなって、大量生産、大量消費時代の使い捨てで、 町中ゴミだらけになり環境破壊になってきました。

当時は環境破壊の規制もありませんでしたので、大気汚染、排気ガス 等の影響で私は呼吸器障害をおこし慢性気管支炎になりました。季節の 変わり目には必ず風邪を引いておりました。
その苦しみが二十数年続いて、何とかならないものかと悩んでいた折 り、平成4年10月30日の朝日新聞の記事で驚異の「西野流呼吸法」「気 の奥義」西野陪三著の記事が目に留まりました。
早速その本を購入し、読んでいくうちに、自分が今まで求 めていたものはこれだと感動し、一年後の平成5年11月に西野塾に入 門しました。

以下その「気の奥義」西野陪三著の記事を一部抜粋しました。
「人間が自分の人生をより素晴らしいものにしたい、いのちを生き生 きと輝かせたいと願うのであれば、生命活動の根元であるエネルギー、 すなわち、「気」を捉え、高める必要があります。
身体を構成している60兆の細胞ひとつひとつに強力なエネルギーで働きかけ 活性化させることが、唯一、いのちを輝かせる本質的な方法なのです。
大元のエネルギーは呼吸によって得られます。「息」こそが「生きる」 の語源であり、生き方とは本質的には「息の仕方」のことなのです。 生きていることが人間なのですから、呼吸は、人間を人間たらしめて いる最も根元的な営みなのです。
誰でも普段は意識せずに呼吸をしていますが、意識的に呼吸の仕方を 変えることもできます。つまり、人間は、自分の力でエネルギーの根元 に働きかけていくことができる存在なのです。
一生涯、呼吸に対して意識を払わなくても、生きてはいられます。し かし、それでは与えられた運命を、「ただ生きる」ことになってしまい ます。通常、呼吸は生きるための条件として自然に行い、たしかに運命 のまにまに生命は維持していられる。けれど、意識して呼吸の仕方を 高めていけば、生物として「ただ生きる」というのではなく、「自分で 運命を切り開く生き方」ができるようになるのです。」
西野流「気の奥義」より抜粋

私は平成九年三月まで三年少々西野塾に通って、西野流呼吸法を習っ ていましたが、運悪く、四月に喉頭癌で入院しました。
それでも、入院中も呼吸法の練習を自分なりにして おりました。
五月に喉頭全摘手術を受けてからは呼吸は気管孔からとなり、以前の ような鼻呼吸はできませんので、声を出すことが出来ないので、銀鈴会 のことを聞き退院後、六月に神奈川銀鈴会に入会しました。

最初の原音を出すことを憶えてからは、呼吸法をしているお陰で、短 期間でスムーズに食道発声が出来るようになりました。
現在でも発声練習の前に呼吸法は毎日実践しており、これからも生涯 続けようと思っています。
喉頭摘出者が自分の食道発声で第二の声を取り戻したい、今までのよ うに会話をしたいと願うのであれば、呼吸法を習得することが一番大 事なことではないかと思います。
呼吸法を行うと食道発声だけではなく、健康に良いと医師も言ってお られます。 呼吸法を実践ずくと損得抜きで、生きていることが楽しくなります。

私は、以来「呼吸法にのめり込んでいます」これが私の実感です。ご参 考になれば幸いです。