性格と喉頭癌のかかわり 北の鈴/第16号(H11)より/K・Tさん
初夏には、少し早い、ある日の昼さがりのことでした。私は、テレビを見るともなしに見ていると『おもいっきりテレビ』という番組で、健康のことを、やっていました。

話は、面白くて、そのうえ、司会者の軽妙酒落な話方はとっても、分かりやすく、いつの間にか、ついつい画面に引き込まれていました。
司会者は、更に言葉を続けて「皆さん!今日のお話はどんな性格の人が、どのような病気に躍りやすいのか。

また、特に『性格と心臓の病気について』検証しながら先生のお話を、じっくりとお伺いしたいものと患います。
そして、もう、これからは、病気とは付き合わなくてもいい方向で、自分の性格を見つめ直す機会にしたいものと考えておりますので、よろしくお願いを致します」。

私は、この声を聞いた途端に「あれ!この性格と病気という話は、前に何処がで聞いたような気がするなア」と思それは『どんな性格の人間か、喉頭癌に躍りやすいか』一 という研究でした。私は「自分は、もう喉摘者になってしまっているので、今更、お伺いしても、手遅れだ。」と思いながら、お話を聞いていました。

そのうちに、「先生の話は俺のことを例題にしているのか」と思いながら、顔をあげて周りを見ると指導員の全員が、お互いの顔を見合いながら、自分のことを言われているものと思い込んで、納得したような顔をしていました。
皆さん、喉捕者ですので性格的には、私を含めて、共通した類似点が、あるものと思われます。

さて、お話の喉頭癌に躍りやすい性格の要旨について、私なりに、簡単にまとめてみました。
まず、喉摘者に共通している性格上の特徴は、外観的には豪放暴落であることです。
また、内面的には、とってもナイーブで、繊細な方か多いと言われています。その上、頭の回転が速くて、知能は、上、中、下に分けると、全員上の部に入るそうです。

特に、全体的には、気配りの上手な方が多くおられるし人に頼まれると、自分の都合よりも、相手の都合を優先させてしまい「ノー」と言えない方も、多いそうです。
更に、何事にも、責任感が強くて、仕事熱心であり、人間性豊かな方が、大変多いとの事でした。
いながら、益々、テレビに見入ってしまいました。そうするうちに、また、声が流れてきて「今日のお話の資料は、仙台の東北大学から、ご提供を頂きました。」と 紹介をしていました。私は、「なるほどナー。この資料の出所は、東北大学のあの研究論文だったのか。

道理で、何処がで聞いたことのある話だと思った訳だア。それで、納得したぞオ。」 そして、当時、宮城県から委託を受け、仙台の立声会で発声訓練をやっていた頃に、東北大学の『性格と病気とのかかわり』について、研究をされていた先生から、親しくお話を、お伺いした事などを、今大変懐かしく昨日のことのように、思い出していたところです。

また、あの時のお話も、今日のテレビと同じで、やはり『性格と病気との関係』ということでした淋、内容的には少し違っていたように、記憶をしています。
例えば、テレビでは『性格と心臓の病気とのかかわり』でしたが、私が、お話をお伺いしたときは『性格と喉頭癌とのかかわり』という題名でした。

お話は、専門的でしたが説得力に溢れた、とても、素晴らしい実践的な研究内容でした。
その中に、私にとっては、ものすごく興味深いお話がありました。従って、対外的には、信用度や信頼度が抜群に高い親分肌の方も多いと、言われています。
その上、物事を途中半端にしたり、手を抜いたりすることは、不得手で、また几帳面な方が多いのだそうです。
だがしかし、その反面、一度言い出したら、あとには引かず、誰が、何を言っても、自説を曲げず、こうと決めたら、テコでも動かない頑固一徹な面もあるそうです。
そのほか、物事を、なかなか人まかせに出来ない所もあり、その上、気が短かくて、セッカチ型が多く、融通がきかないという評価もあるそうです。

では、何故このような性格の方か喉頭癌になりやすいのだろうかを、東北大学の先生のお話を、私なりに勝手に解釈をさせて頂きながら、まとめてみました。

それは、病気の気の中に、多分に性格的なものに起因する要素が、大なり小なりあるのではないかということです。
荒っぽい言い方になると思いますが、性格という内面的なものから、生まれてくるストレスなどのことです。

例えば、癌や心臓病などの発病条件に、このストレスが大きな影響力を、もっているのではと思うわけです。
ですから、自分の性格の長所は、益々、伸長を図る事、 また、短所的なものについては、ストレスの発生を防ぐという立場からの自己管理を行うと共に、性格の改善に近づくような方策や人生の生き方、仕事の仕方、対人的な事が、第二の病気から身を守るということになる近道ではないかと思う次第であります。

そのためには、ストレスを発生させたり、溜めたりすることのないような状況を自分の中につくることが大切です。
言葉では、簡単に言えますが、実に大変なことだと思います。ある意味では自分の性格との対決になります。

また、先程述べた性格の分類でもわかる通り、喉摘者の長所と短所の中に、大きな相違点、矛盾点などもあり、これらが日常的にイライラの原因になったり、ストレスの要因になったりしていることは、明快な事実です。

従って、几帳面な性格の方は多少、ズボラになることも大切な事であり、気か短く、セッカチな方は、克己心に磨きをかけるような、生き方が期待されています。

「ノー」と言えない方も自説を曲げない方も、全部自分の中にある性格だと言われていますので、その矛盾を克服しバランスを考えて、肩から力を抜く生き方も必要な知恵だと思います。

一緒に苦労してみましょう。
お互い、好きで喉頭癌になった訳ではないのですから、北鈴会の仲間と共に、第二の病気の予防に頑張りましょう。
尚、この文の中の東北大学の先生のお話は、私が拝聴したものが、十分未消化のまま述べてしまいましたので、先生にも北鈴会の皆さんにも、意のある処を伝えることが出来ず申し訳ない気持ちで一杯です。

また、性格の事例は、宮城県を始め東北六県の喉摘者の方々を、調査研究されたものです。北海道には、一切関係のないことですので、そのようにご理解ください。
それから、東北大学の先生には、お許しも頂かず、しかも私の独断的な解釈を心からお詫び致します。